筋目悪しき者
『当道略記』


 『当道略記』の「筋目悪しき者」

   賤民視されていた芸能者・宗教者・職人など、24職種を列挙。25種のように見えるが、末尾の「鉢扣」「空也派」は「空也派の鉢扣」と解される。

 
一 筋目悪敷者の子を弟子に取申間敷候 又其の類の者の住みたる家屋敷求むべからず。就中三代過ぎ候へハ苦しからざる事。
一 筋目悪敷者とハ
  声聞師  舞まひ  猿楽師  猿引
  傀儡師  面打  弓師  弦さし
  伯楽  馬口労  石きり  轡
  筬かき  船大工  渡守  下駄屋
  髪結  早桶屋  轤械作り  位牌屋  青屋
  紫屋  梓神子  鉢扣  空也派

 右之輩之致住居候門内へ縦にも立入申間敷候。右筋目之者之内 猿楽・伯楽・馬口労 此類ハ専諸士方江出入致候得ハ、事ニより且家ニて出合一座致候儀も有之事に候。無拠一座いたし候共盃取交り致間敷候。此方よりさし候儀ハ不苦事。

  国立国会図書館デジタルコレクション 当道略記(盲人諸書類.3)  コマ番号11〜12/21

 「当道略記」(渥美かをる・前田美稲子・生方貴重 編著;『奥村家蔵 当道座・平家琵琶資料』,大学堂書店(1984).p145〜146)では24種の配列順序が一部異なっている。また、「下駄屋」は「足駄屋」に、「鉢扣」「空也派」は「空也派の鉢扣」に。


当道座

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