七十三刻


 当道の階級は全部で73の刻目に細分化されるといわれる。 そのうち、名称を持っている階級は67である。

当道の階級と官金・服装・呼称
4官16階通称73刻官金服装呼称
初心(無官)(0)15歳以上は単袴。
羽織は禁ず。
城方には千・三・長・慶など、
一方には春・了・清・弥などを頭や尾に付す。
打掛 1半内掛  4両浅黄あるいは萌黄麻長絹、紅菊綴をかざる。
袴同色麻。
白小袖・羽織は禁ず。

杖は白木杖。
何一、城何と名乗る。
2丸内掛  3両2分
3過銭内掛    2分
座頭一度衆分 4才敷衆分  4両白絹あるいは長絹、紫菊綴を付す。
袴白絹あるいは羽二重。
白小袖は禁ず。

白木玉杖。
何一座頭、城何座頭と名乗る。
5(萩の)上衆引  4両
6中老引  4両
7 20両
二度 8上衆引  6両
9中老引  6両
10 30両
三度11上衆引  4両
12中老引  4両
13 20両
四度在名 または 四度14上衆引 22両紫の菊綴を付けた白綾長絹
(綸子・紗綾ちりめんの類で調える)。
袴白綾、菊綴なし。
これより白小袖着用。

塗木玉杖。
何座頭何一、何座頭城何と苗字を名乗る。
15送り物引  6両
16大座引  3両
17中老引  6両
18 25両
勾当一度過銭勾当19過銭之任じ  3両背中に紫菊綴一つ付けた長絹。
衣は着用せず。

これより片撞木杖。
何勾当と苗字を名乗る。
20上衆引 17両
21 10両
二度送物勾当22百引 10両これより衣着用。黒素絹白袴。紗紋をかぶる。

片撞木杖。
23上衆引  6両
24  4両
三度掛司
(三度より中老ともいう)
25三老引    1分
26五老引    1分
27十老引    2分
28上衆引  6両
29  5両
四度立寄30五十引  5両
31上衆引  5両
32  5両
五度召物33三老引    1分
34五老引    1分
35十老引    2分
36上衆引  4両
37中老引  5両
38 25両
六度初の大座39三老引    2分
40五老引    2分
41十老引  1両
42上衆引  8両
43中老引 10両
44 40両
七度後の大座45三老引    2分
46五老引    2分
47十老引  1両
48上衆引  8両
49中老引 10両
50 40両
八度権勾当51上衆引 10両
52中老引 10両
53 30両
別当権別当検校54上衆引 10両燕尾・紫衣を着用。

両撞木杖。
何検校と苗字を名乗る。
55中老引 10両
56 30両
正別当57上衆引 10両
58中老引 10両
59 30両
惣別当60惣別当任じ 20両
61上衆引 10両
62中老引 10両
63 30両
検校検校64検校任じ 45両紫素絹白長袴、浅黄小柳奴袴。

両撞木杖。
65上衆引 10両
66中老引 10両
67 30両
合計719両……

 加藤康昭;『日本盲人社会史研究』,p.180〜181,p.197 より作成


当道座

近世当道